しかし、先日このスピーカーの試聴会に参加したところ、思いのほか良い音がするのでビックリ。なんでインターナショナルオーディオショウではあまり印象に残らなかったのだろう?
このスピーカーの音色はどちらかというと美音系。程よく美しい音で、音楽にゆっくり浸れる音がする。また、筐体がスリムなので音の広がりがとても良い。どこで聴いても音が通ってくる。
このスピーカーは音色も良いが、最大の利点はバランスがいいこと。ユニットが小さく、エンクロージャーが小さいスピーカーでは「見た目以上の低音の量感があり~」なんてレビューを目にすることがある。さてコイツはどうかというと、低音の量感は驚く程ではない。じゃあ不足しているかというとそうでもない。必要にして十分な低音だ。そして、高域から低域までのつながりがいいため、全帯域の音が一体となって響く。
しかし、やはり低域の伸び、解像度といった点では同価格対で、さらに優れた製品があるのも事実。音楽に真剣に向き合って聴くような聴き方をするのであれば、もっと適した製品があると思う。また何処となく美音系なので、ジャズやロックには少し物足りなさを感じるかも知れない。
それでもコイツには人を魅了する力がある。雰囲気がよく、小さい音量でも気分良く聴ける。リビングで紅茶でも飲みながら、何処となく美しい音が流れてくる。そんな生活が送れたらどんなに素晴らしいだろう?